歯周病と全身疾患

 宇都宮市中岡本町の中島歯科医院、中島隆です。

( ホームページはこちらです http://nakajimadc.com/ )

 

歯周病は歯周ポケットと呼ばれる溝の中で細菌が繁殖し、それにより引き起こされる慢性炎症で、歯肉の腫れ、出血、排膿があったり、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶かされたりする病気です。

このように長年、歯周病は歯肉に限局した病気と考えられてきました。ところが近年 歯周病が全身の病気にかかわっていることが明らかになってきました。

炎症が起きている歯周ポケット内の弱くなった血管から、細菌や、細菌が出す毒素などが入り全身に運ばれていき、下記に示すような様々な病気を起こすと考えられます。

 

歯周病と糖尿病

歯周病を放置しておくと血液中に炎症性サイトカインの量が増え、インスリンが作用しにくくなります。インスリンは血液中の糖の濃度を下げるホルモンなので、これがうまく作用しなくなると血糖値が上がり、糖尿病も悪化していきます。

又、糖尿病の人が歯周病の治療をすることにより炎症が改善されると、糖尿病の改善も見られるという報告があります。

中島歯科医院の院内新聞2023年10月号・11月号に掲載していますのでご覧ください。

歯周病と心臓病

心臓には弁があり、その弁膜付近に微生物が付着し増殖すると感染性心内膜炎を起こすことがあります。また血管内に入った歯周病菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)は心臓の冠動脈の血管壁にとりついてアテローム性プラークという粥上の堆積物を作る手助けをします。この堆積物により血管が狭くなり、酸素や栄養素が心臓の筋肉にいきわたらなくなります。そのため狭心症や心筋梗塞が引き起こされます。

 

歯周病と脳梗塞・脳出血

歯周病菌が血管内にアテローム性プラークをつくる、あるいは手助けをすることは全身の血管で起こります。このアテローム性プラークの堆積は血管壁に作用し動脈硬化も引き起こします。脳血管にアテローム性プラークの堆積や、動脈硬化が起こると血液の流れが少なくなり、脳梗塞や脳出血の危険性が高くなると考えられます。

 

歯周病と誤嚥性肺炎

嚥下喉頭反射の衰えたお年寄りなどでは、歯垢中の歯周病菌や炎症性サイトカインなどを多く含む唾液が、喉頭から気管支や肺に入り、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。

 

歯周病と低体重児出産

歯周病が進むと血液中にプロスタグランディンという物質が増える。このプロスタグランディンは出産時に胎児を外に押し出す際に子宮を収縮させるために分泌されるホルモンです。これが増えるため早産になる可能性があるといわれています。

 

これら以外にも歯周病と認知症との関連なども近年話題になっています。

歯周病の予防や、再発予防には何といってもプラーク(歯垢)コントロールが重要です。

プラークコントロールとは、歯に付着したプラークを除去し、なるべくプラークの少ない状態に保つことです。歯や歯肉の健康、ひいては全身の健康の維持のため歯科医院でセルフケア(自分で行うプラークコントロールの方法)の指導とプロフェッショナルケア(歯科医師や歯科衛生士が行う専門的プラークコントロール)をぜひ受けてください。

 

・院内新聞(2024年3月号)

3月号院内新聞では鈴木歯科衛生士が、災害時のお口のケアについて紹介しました。

過酷な状況でも口腔内の清潔は大切です。いつ何時わが身に降りかかるやもしれません。ぜひ参考にしてください。

2024年3月の勉強会等報告

   3/27 院内勉強

      次回掲載院内新聞紹介

 

         

・退職セレモニー

お疲れ様でした、そしてありがとう

 

蕗の薹(ふきのとう)

 
 
 
 
 

いつの間にか庭に蕗の薹が顔を出していました。

食べるにはちょっと遅きに失した感がありますが「煮びたし」にしました。少し苦みがありましたが結構おいしくいただけました。

ところで、「とう」とは花をつけるための茎のことを言います。ふきのとうは成長すると花になり、どんどん茎が伸びいわゆる「とうが立った」状態になります。「とうが立つ」

とは、茎がどんどん伸びていくことを言い、茎は伸びると固くなってしまい、食べごろを過ぎてしまうことから、「盛りが過ぎる」「年頃が過ぎる」という意味なのですね。

でもとうが立った蕗の薹も、うまく調理すれば、おいしくいただけます。

 

・2024年4月休診日のお知らせ

休診日および夜間は、宇都宮市休日夜間診療所(028-625-2211)をご利用ください

宇都宮市休日夜間診療所歯科

  (平日)は、午後7時30分から 午前0時
(日・祝休日)は、午前9時から午後5時および午後7時30分から午前0時