宇都宮市中岡本町の中島歯科医院、中島隆です。
(ホームページはこちらです http://nakajimadc.com/ )
今年1月1日に能登半島沖地震2024が発生し多くの方が高齢者施設や避難所、病院、自宅での避難生活を余儀なくされました。
このような避難生活の場では水の確保もままならず口腔ケアはおろそかになりがちです。
能登総合病院(石川県七尾市)の歯科口腔外科長谷先生によると「地震が起きた今月1日から10日までの間にこの病院を訪れた「誤嚥性肺炎」の患者の数が、例年の3倍近くになっている」とのことです。
このような事例より今回は誤嚥性肺炎について報告します。
誤嚥性肺炎とは
嚥下時における食べ物や唾液または嘔吐による胃の内容物等本来気道に入るべきでないものを吸引すること(誤嚥)により引き起こされる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。
特徴
日本人の死因別死亡率によると悪性新生物、心疾患に次いで肺炎は第3位で、死亡者のおよそ10人に一人が肺炎で亡くなっています。
肺炎で亡くなっているのはほとんど高齢者で、肺炎によってなくなる人の96.6%が65歳以上です。
そして高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥性肺炎であるといわれています。
健康な人なら、異物が気道に入った瞬間に咳き込み(咳反射)異物は気道から排出されます。
これに対し体が弱った高齢者は咳反射が衰えています。
異物が気道に入っても排出されず、細菌を含んだ食べ物や唾液が、頻繁に気道にはいりこみ、感染が肺にまで及ぶことで誤嚥性肺炎になってしまいます。
又明らかな誤嚥と本人や家族も気づかない誤嚥(不顕性誤嚥)もあります。口から食べていない経管栄養摂取者であっても夜間に唾液の誤嚥があったりして、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるのです。
対応策
「口腔内ケア」をすることで高齢者の肺炎リスクが40%減少できたという報告があります。
「口腔内ケア」では
①上手に食べて、飲み込めることの改善を図る機能的訓練と
②口腔内を清潔に保つことで肺炎の原因となる細菌数を減少させる口腔内のクリーニングがあります。
1.機能訓練
機能回復のためのお口の体操があります。
そのうちの一つを紹介します。以前当歯科医院の院内新聞で紹介したものです。
又神奈川県の県民向けオーラルフレイルハンドブックにも「お口の健口体操」
が掲載されていますので、参考にされるとよいかと思います。
2.口腔内クリーニング
歯みがき、入れ歯の清掃、舌のクリーニングなどを行います。
クリ-ニングを行うことで口腔内の細菌を減らし、唾液を誤嚥(不顕性誤嚥)しても感染を起こしにくくする事を目的としています。
定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアや、訪問介護でのケア、あるいはご家族によるケアも必要になってくると思われます。
又地震などでの避難生活をおくるような非常事態でも口腔内のクリーニングはおろそかにできません。
2024年3月号の中島歯科医院院内新聞ではこのような時の口腔ケアの方法について歯科衛生士の鈴木が発表してしています。(来月、当ブログに掲載します)ので参考にしてください。
・院内新聞(2024年2月号)
今月は、2月14日のバレンタインデーに寄せて、前職パティシエの歯科助手の大関が「歯にも身体にも優しい」、チョコレートテリーヌをご紹介します。
・2024年3月の勉強会等報告
2/27 院内勉強
症例発表
DH山川 「カルシウム拮抗剤による歯肉増殖の 原因と対策」
・助手認定証授与
「日本歯科医師会歯科助手資格認定証」が授与されました
頑張りました。おめでとう!!
・福寿草(フクジュソウ)
今年も庭に福寿草が咲きました。きれいな黄色です。
福寿草の花ことばは「幸せを招く」「幸福」。また長寿の「寿」の漢字から「「回想」「思い出」というのもあるようです。
ところで、「福寿草」をネットで調べていたら、僕のふるさと「秩父」の名前が付いた「秩父紅(チチブベニ)」という福寿草があるのを発見しました。
秩父山系に咲く紅色の福寿草で、秩父固有種だそうです。一度実際に見に行きたいと思います。
・2024年3月休診日のお知らせ
休診日および夜間は、宇都宮市休日夜間診療所(028-625-2211)をご利用ください
宇都宮市休日夜間診療所歯科
(平日)は、午後7時30分から 午前0時
(日・祝休日)は、午前9時から午後5時および午後7時30分から午前0時