フッ化物応用による根面う蝕の予防

宇都宮市中岡本町の中島歯科医院、中島隆です。

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高齢期になると歯周病り患者が増加し、歯肉退縮により根面が露出することにより根面う蝕のリスクが高くなってきます。根面う蝕が増えれば歯の喪失のリスクも大きくなります。

根面の露出

象牙質はエナメル質より酸に溶けやすく発見しにくいため(エナメル質では初期の段階では白濁がみられます)進行してから見つけられることも多いと思われます。また歯根部を取り囲むように進行し、治療も難しくなります。

さらに今までの臨床経験では、のど飴などの飴を常用していると驚くほど根面う蝕の進行が早く、かつ口腔内広範囲に根面う蝕がみられることが多々ありました。以外と多くの人が飴を常用していると思われ、問診の重要性を改めて感じています。

根面う蝕

根面う蝕の初期では象牙質からミネラルの溶け出し(脱灰)が起こり表面が軟化します。

その後根面のコラーゲンが分解されると穴が開いてきます。(う窩の形成)

初期段階でフッ化物応用(フッ化物洗口・歯面塗布・フッ化物配合歯磨剤)を始めることにより進行を防ぐことができます。

 

「フッ化物洗口とゲル塗布による根面う蝕予防の臨床研究(Wallanceら、1993)」によるとフッ化物洗口で73%、ゲル歯面塗布で74%の予防効果が、また「フッ化物配合歯磨剤による根面う蝕予防の臨床研究(Jennsenn&Kohout、1988)」では67%のう蝕予防効果があったとされています。

今までのフッ化物応用は若年者の歯冠う蝕の予防が中心でしたが、これからは8020達成者(80歳で20本以上の歯がある人)が年々増えていく中で、根面う蝕予防のためのフッ化物応用の必要性を強く感じています。

令和4年(2022年)歯科疾患実態調査では8020達成者は51.6%と上記2016年調査51.2%に比べわずかな増加でした。

参考図書  荒川浩久,乳幼児から高齢者まですべての患者さんへのフッ化物応用ガイド,インターアクション,2018

院内新聞

2023年8月号は歯科助手兼受付担当の横島が担当しました。う蝕予防に有効な手段であるフッ素化合物の作用と応用法について報告しました。

2023年8月の勉強会等活動報告

8/30 院内勉強会

中島隆がフッ素化合物の、「局所応用法」、「う蝕予防のメカニズム」、「低濃度フッ化物と高濃度フッ化物のう蝕抑制機序の違い」等について、報告しました。

 

 天使のはしご

2023年6月、北関東自動車道を宇都宮に向かって走行中、笠間付近でこの光景に遭遇しました。

これは「天使のはしご(エンジェル・ラダー)」や「天使の階段」と呼ばれていて、雲の切れ間から太陽光が漏れ放射線状に広がって見えます。光の帯がまるで天使が下りてくるはしごの様だと言うところからこの名前が付いた自然現象です。幻想的ですね。

天使のはしごは幸運が訪れる前触れであるともいわれているそうです。大いに期待しています!

2023年9月休診日のお知らせ

休診日および夜間は、宇都宮市休日夜間診療所(028-625-2211をご利用ください

宇都宮市休日夜間診療所歯科

  (平日)は、午後7時30分から 午前0時
  (日・祝休日)は、午前9時から午後5時および午後7時30分から午前0時